広島市で「協同労働」プラットフォーム事業開始 住民主体の地域再生に

2014.07.30トピックス

NPO法人ワーカーズコープは、「協同労働」プラットフォーム・モデル事業を広島市から受託しました。この事業は就労や社会参加への意欲と能力のある高齢者などが、協同労働で地域課題の解決に取り組むことを推進するもの。自治体がモデル事業として協同労働を推進するのは全国でもはじめて。5月から市内安佐南区と安佐北区で実施しています。7月7日には、広島市とNPO法人ワーカーズコープが、広島県民文化センターでこの事業の啓発シンポジウムを開催。坂口力元厚生労働大臣をはじめ、自治体関係者、地域の方々、地域で活動する団体や学生など350人が参加しました。


シンポジウムには地域の方々など350人が参加

シンポジウムには地域の方々など350人が参加


シンポジウムで挨拶する、松井一實広島市長

シンポジウムで挨拶する、松井一實広島市長


■住民主体の地域づくりに協同労働を
広島市は就労や社会参加の意欲のある高齢者の居場所と出番をつくり、地域コミュニティの担い手とする社会的企業の仕組みとして協同労働に注目。
昨年9月から、吉富啓一郎県立広島大学名誉教授を座長に、高成田健ワーカーズコープ中四国事業本部長、学識経験者、労働団体、経営団体などで構成する「地域で雇用を創出するための研究会」を4回にわたり開催し、モデル事業のあり方について検討を重ね、今年2月にワーカーズコープをモデル事業の実施団体として選定しました。

■協同労働プラットフォーム「らぼーろ」
 協同労働プラットフォーム「らぼーろ(イタリア語で労働の意)」は安佐南区の緑井駅近くに開設。
 事業の内容は、中学校区単位での学習会や懇談会などを通じ、協同労働を周知することや、地域で活動する団体や有志などと地域課題の検討を深めながら、事業の立ち上げ支援を行うもの。
 構成員の過半数が60歳以上で、地域課題に沿った事業計画であり、収益性が見込まれるなどの要件を満たす場合には、市の補助を受けることもでき、今年度は3件程度を想定しています。
 5月の事業開始以来、市報での紹介や、社協の会合での説明、地域で活動する団体への周知の結果、現在20件を超える相談が寄せられています。
 「事業の継続に不安を抱える地域活動団体や、障がいのある人の作業所作り、魚の養殖や花卉(かき)栽培の事業化、廃校活用など様々な分野で事業の相談がある」と支援員の浅田恭弘さん。
 統括コーディネーターの山口豪(すぐる”)さんは「予想を超える反響がある。立ち上げの実績をつくりながら、ここでのノウハウが全国で活かされるようにしたい」と意気込みを。
 すでに市内の他区や活動団体からも、質問が寄せられており、「らぼーろ」では、この事業が市内全域で広がっていくことを目指しています。

広島市安佐南区にある協同労働プラットフォーム「らぼーろ」

広島市安佐南区にある協同労働プラットフォーム「らぼーろ」


協同労働プラットフォーム「らぼーろ」のホームページはこちら

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