石巻サポステがフリースクールはじめる

2015.07.22トピックス

ひきこもりを未然に防ごうと石巻地域若者サポートステーション(NPO法人ワーカーズコープ)のスタッフらが、フリースクール「石巻フォルケ」を6月9日からスタートさせました。
8月まではプレオープンですが、テレビ、ラジオ、新聞などで報道され、問い合せも多く、期待の大きさがうかがわれます。(石巻フォルケ代表 小澤慎太郎)

■人生の準備をしっかり進める
石巻サポステが始まって約2年。この間、270人の若者が支援につながり、180人が自立していきました。

支援の中から、サポステ利用者の約4割が小中高での不登校を経験しており、ひきこもりになる背景の一つになっていることがわかりました。  そこで、ひきこもり支援だけではなく、その前段階の不登校の小中高生への支援も同時に必要だと考え、不登校の長期化を防ぎ、社会参加ができるようになる居場所の案が出ました。

話し合いを重ね、誕生したのがフリースクール「石巻フォルケ」です。教育先進国デンマークで人気の学校「フォルケ・ホイスコーレ(民衆のための学校)」に由来しています。人生に少し休息時間を取って、自分が進む道を探したい人向けの学校です。■スタッフはサポステ卒業生
スタッフは、ボランティアのサポステ卒業生の2人と私。
サポステの卒業生を起用した理由は、①不登校の子どもたちにとって、同じ経験をしているお兄さん・お姉さんと接することがプラスに働く。②卒業生の彼らが持っている力や才能が活かされ、成長につながる。③他世代との交流により、気軽にコミュニケーションの向上ができる、の3つ。

不登校の子どもたちと、サポステ利用者・卒業生双方によい効果があり、この形を継続していきたいと思っています。
フォルケが大切にしているのは、「安心できる居場所」「学習支援」「社会参加」。午前中は自立学習、昼食はみんなで作り、午後も生徒が企画し、地域の方や企業を招いての社会参加プログラムを行っています。
家から出て太陽の光を浴びる、家族以外の人と関わる、そして何かしらの活動を通して社会に出る準備をする。社会性はもちろんのこと、学びや気づきがある成長の場を提供することを意識しています。

対象は13~18歳、開校は毎週火曜日の10~16時です。入学金3240円で、利用は1日500円。参加プログラムによっては実費負担があります。
始まって2カ月、6回しか開いていませんが、毎回2、3人が参加。「今日は内装作りが楽しくできたのでよかった」(中2女子)、「初めてコミュニケーションゲームをやり、とても楽しかった。また来たい」(中3男子)の感想もありました。
新聞3紙、テレビ2件、ラジオ放送1件に報道され(予定含む)、電話での問い合わせも17件、見学来所は5人(中学生4人、小学生1人)です。
正式なオープンは9月中旬の予定で、利用は週3の月謝制になると思いますが、単発の利用も受け入れます。
始まったばかりですが、このような取り組みが全国に広がっていったらと、夢を描いています。

子どもたちが居心地よく過ごせるように「漫画喫茶化プロジェクト」を行っている。みなさんにマンガの寄付を呼びかけている小澤さん

子どもたちが居心地よく過ごせるように「漫画喫茶化プロジェクト」を行っている。みなさんにマンガの寄付を呼びかけている小澤さん

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